多忙な日常から解放!イランイランの香り

香り

マレー語で「花の中の中」を意味するイランイランは、オレンジに近い濃いイエローの花を咲かせます。このイランイランは、フィリピンの公用語であるタガログ語のalang ilang(アラング イラン)がなまって変化した名称らしいです。

このイランイランの香りは、官能的で、甘くエキゾチックな香りです。青い空と海、色とりどりの花や南国の果実を想い起こさせるほどです。日常を離れて解放感を味わいたいときにイランイランの香りを嗅ぐといいでしょう。

インドネシアでは、古くから新婚カップルのベッドにイランイランの花びらを敷き詰める風習があります。また太平洋の島々に住む女性は、この精油をココナッツオイルにまぜてボディケアやヘアケアに用いてきたと言われています。

心への作用

●この香りはぬくもりのある香りで神経系の緊張を解き、不安感をやわらげます。胸の高鳴りをしずめて、幸せな気分にさせてくれるため、怒りや不安などの感情をやわらいでくれます。

●またパニックやショックなどの興奮状態をしずめ、喜びの感情をもたらせてくれます。そのため、落ち着きと自信の回復を促します。

●その他にも「脳内麻薬」とも呼ばれるエンドルフィンの分泌を高め、気持ちを高揚させる働きもあります。香りが強いため、使用される際は控えめにして下さい。

身体と肌への作用

●女性ホルモンの調整作用、催淫作用、鎮静作用、子宮強壮作用、血圧降下作用、過呼吸症状の改善、抗うつ作用。

●皮脂の分泌を整え、正常な皮脂バランスを導く働きがあると言われ、脂性肌や乾燥肌のケアに用いられたりします。頭皮の強壮やフケの防止などシャンプーなどのヘアケア剤に混ぜて用いられることもあります。

●室内に香りを漂わせたり、お風呂に入れたりするだけでゾート気分が楽しめます。

植物情報

●植物名:イランイラン
●学名:Cananga odorataa
●科名:バンレイシ科
●抽出部位:花
●抽出方法:水蒸気蒸留法
●原産地:コモロス、マダガスカル、レユニオン島
●ノート:ミドルノート
●主な成分:リナロール、β-カリオフィレン、酢酸ベンジル、ファルネセン、安息香酸メチル

<参考文献>
・はじめる、楽しむアロマテラピー/監修 石原裕子
・幸せを呼ぶ込むアロマテラピー事典/著 色映みほ
・おもしろくて役に立つ あたらしいアロマテラピー事典/著 木田順子
・知る 使う アロマ 生活・健康・仕事に活かすアロマの香り/監修 佐々木薫
・アロマテラピー検定 公式テキスト/発行 公益社団法人 日本アロマ環境協会
・マンガでわかる香りとフェロモンの疑問50/著 外崎肇・越中矢住子
・調香師の手帖/著 中村祥二
・香りの手帖/著 香老舗 松榮堂広報室
・〈香り〉はなぜ脳に効くのか アロマセラピーと先端医療/著 塩田清二
・「香り」の化学 匂いの正体からその効能まで/著 平山令明
・味と香りの話し/著 栗原賢三